扉を開けると　幸せを呼ぶ　光の世界へ

藤城清治先生というと「暮らしの手帖」での挿絵など可愛らしいメルヘンな世界をイメージされる方も多いかもしれません。

藤城先生自身「若い頃はメルヘンの世界や自分の心象風景などを描くことが多かった」と言っています。

しかし年齢を重ねるとともに、自然や地球のすばらしさにひかれるようになり、日本各地を実際に訪れて多くの風景を作品として制作しています。

美術館では「桜島」の他にも、「三春の滝桜」や「大曲の花火」、「清水寺」など日本の風物をテーマにした作品を展示しています。

この「桜島」は2010年に制作された作品です。

先生が鹿児島を訪れた際、ホテルに着いたとたんに桜島の噴火が始まり、「ぼくが写生をしに来たので地球が歓迎してくれたのだろう」と、夢中になってデッサンしたそうです。

こちらは「ぼくの青春は仔馬にのって」という作品です。

2007年に制作されました。

地球儀の上に、仔馬、ねこちゃん、少女が乗っていて、肩から掛けている鞄にはケロヨンのマスコットもついています。

「かわいくて恰好よくてお利口そう」な仔馬は藤城先生にとって理想の少年像・青春像であり、80代に作成されたものですが若々しさを感じさせる作品です。

「ぼくの青春は仔馬にのって×ブレーメンの音楽隊」は、ダブルポケットのA5クリアファイルとして美術館グッズにも登場します。